IBマガジン

第3回: ハチミツのビールってどんなもの?

Priekā!!(プリエカ=ラトビア語で乾杯)

みなさま、こんにちは!

ラトビア文化発信ビールブランド「Lat Beer」を運営しているROCKです!

IB Brewing様でラトビアに関わるコラムを担当しています。

今回のテーマは「ハチミツのビールってどんなもの?」

【ポイント】

 ・ラトビアではミード(ハチミツ酒)とは別にハチミツビールが存在

 ・養蜂が盛んで中世には重要な交易品としても重宝

ビールは紀元前4,000年前から現在に続く非常に歴史の深いお酒の1つです。

北欧のラトビアでは13世紀にドイツ騎士団の占領によるドイツ式ビールの製法が伝播したとされていますが、もともと9世紀ごろ(所説あり)以前には農家のひとがジェニパーベリー(お酒のジンで欠かせないスパイス)やよもぎなどの野草を加えた自家製ビールを楽しんでいたことが伝えられています。

ラトビアは今でも森が国土の半分を占める、自然とともに共生することを大事にしてきた民族です。

2世紀にはすでにハチミツを採取していたという記録が残っているそうです。

街の食料品店ではソバやシナノキ、春の花をブレンドしたものなどたくさんの種類を見かけることが出来ます。

蜜は豊富な栄養が含んでいますから、食用に。蝋はロウソクやワックスとして。

そのなかで、ハチミツをビールの中に加える製法が生まれたのは当然の流れかもしれません。

最古のハチミツ酒「ミード」と混同されることがありますが、ミードはハチミツを元に発酵させたお酒。

ハチミツビールのように、大麦から作ったビールに加えて作るのとは大きく異なります。

ビールにハチミツを入れることにより、マイルドで心地よい蜜の香りを加えることが出来ます。

ラトビアの人々にとって大麦と酵母、ハチミツで作られたビールは“自然の恵みの集大成”として、毎年神々に御神酒として捧げる風習が今も大事に伝えられています。

IB Brewing様で製作した「Linden Honey Wheat」では菩提樹から採取されるハチミツを加えています。

ラトビアでとても人気のある菩提樹は、神聖な樹として有名です。

仏教の開祖「ブッダ」が悟りを開いたのも菩提樹の木の下でした。

菩提樹の蜜は食用に、葉は茶葉として余すことなく楽しむのがラトビア流。

(成分をソープなどのコスメに利用していることも)

ハッカのような清涼感と上品な甘味を持つ高級ハチミツをしっかり使用した「Linden Honey Wheat」はラトビア文化への敬意を込めたブランドです。 ベルギーの白ビール:ベルジャンホワイトとの組み合わせによる、ここでしか飲むことが出来ない特別なハチミツビールをぜひご賞味ください。