TAPHOUSE通信vol.1
コンペの振り返り

これまでLINEやSNSでもお伝えしてきましたが、改めて、いつも応援してくださっている皆さんにご報告です!IB BREWINGとして初めて、韓国・ソウルで開催されたビアコンペ「KIBA2025」に参加してきました。今回の挑戦は、チームIBにとっても大きな一歩。メンバー全員で韓国へ渡り、約1週間ソウルに滞在しました。KIBAでは、ビアフェスやカンファレンス、表彰式などさまざまなイベントが行われ、IB BREWINGからは5種類のビールをエントリー。そのうち2種類が見事、金賞と銅賞を受賞しました!
初めての国際コンペで、しかも2種類が賞をいただけたのは本当に嬉しい出来事でした。そして惜しくも賞に届かなかった3種類のビールについても、世界中から集まったプロの審査員の皆さんから貴重なフィードバックをいただき、大きな学びを持ち帰ることができました。次のビールづくりにしっかり活かしていきます!
そして次回のコンペは、今年10月にタイ・バンコクで開催される「BREW ASIA」。アジア最大級のビアコンペです。今回は、日本で醸造したビールだけでなく、カンボジアで仕込んだビールも出品予定。ますます進化していくIB BREWINGに、ぜひご期待ください!
韓国のビールシーン
表彰式の前後には、せっかくの機会ということで、韓国のクラフトビールシーンをもっと深く知るために、現地のタップルームや醸造所をいくつか訪問させていただきました(アポイント取りました!)。実際に韓国のビアバーを回っていて一番驚いたのは、「クラフトビールを楽しんでいる世代」でした。とにかくどこのお店も若者でいっぱい!
日本では「若い人のお酒離れ」なんて話をよく耳にしますし、実際、私の周りでもクラフトビールにハマっている友人はまだ少数派。そんな中で、韓国では若い世代が当たり前のようにクラフトビールを楽しんでいて、「これはどうしてなんだろう?」と素朴な疑問が浮かびました。
ちょうどタイミングよく、今韓国で最も人気のあるブルワリー「アートモンスター」の責任者の方とお話しできる機会があったので、思い切って聞いてみました。
もともと韓国では、マッコリや焼酎といった伝統的なお酒が主流だったそうですが、2010年代後半から海外からクラフトビールのカルチャーが本格的に入ってきたことで、特に若者の間で注目を集め始めたとのこと。さらに、韓国には「感性消費(감성소비)」という文化があるそうで、「雰囲気」や「体験」そのものに価値を感じる傾向が強いようです。そのため、ビアバーの新しい雰囲気と、これまで味わったことのないクラフトビールが一緒に楽しめる場所として若い世代に一気に広がったそうです。
また、ビールのスタイルにも地域差があるのが面白くて、ソウルではドイツスタイルのビールが主流ですが、釜山など他の地域ではアメリカンスタイルが人気だったりと、場所によって文化が違うんですね。聞いていて本当に興味深かったです。
福岡からソウルまでは飛行機でたった1時間。でも、海を渡っただけでビールの文化や楽しみ方がここまで違うのか!と感心しましたし、とてもいい刺激をもらいました。
ちなみに、訪れた韓国のビアバーはどこも個性的で素敵でした。ネオンで華やかに彩られたバーもあれば、無機質で洗練されたデザインのお店、さらには伝統的な韓屋(ハノク)をリノベーションした味わい深いお店も。ビールももちろんどこもおいしかったです。
もし、皆さんも韓国に行く機会があれば、ぜひクラフトビールバーにも立ち寄ってみてください。きっと新しい発見に出会えると思います!
今回訪れた韓国クラフトビールの名所をご紹介!
ソウル滞在中には、いくつかのブルワリーやビアバーも巡ってきました。中でも印象的だった3つのスポットをご紹介します!
① ソウルブルワリー
2017年に設立され、翌年2018年3月にビールをリリースしたソウルの代表的なクラフトブルワリーです。カナダ出身のヘッドブリュワーと韓国人ブリュワーのコンビが醸すビールは、IPAやポーターといった定番スタイルから、季節限定のユニークな一杯まで幅広く展開。Mapoエリアにあり、仕事帰りの一杯にもぴったりの雰囲気でした。
住所: 10, Tojeong-ro 3an-gil, Mapo-gu, Seoul 04083, South Korea
営業時間:
月~金:17:00~24:00
土日:13:00~24:00
② アートモンスター(カンナム店)
今ソウルで若者から絶大な人気を集めているアートモンスター。名前のとおり、店内もビールもとってもユニーク!ソウル市内に複数店舗があり、どこも異なるコンセプトで、ビールだけでなく空間そのものも楽しめます。特に印象的だったのが、最先端の醸造設備で仕込まれたビールのクオリティ。まさに「味でも空間でも魅せる」ブルワリーでした!
カンナム店住所: 28-3 Teheran-ro 1-gil, Gangnam-gu, Seoul, South Korea
営業時間:
月~金:17:00~翌1:00
土:15:00~翌1:00
日:15:00~23:00
③ ジプシー(Seoul Gypsy)
こちらは、伝統的な韓屋(ハノク)をリノベーションした建物で運営されている、落ち着いた雰囲気のタップルーム。アートや音楽が散りばめられた空間はとても居心地が良く、感性に響く時間を過ごすことができました。ソウルらしい「伝統とモダンの融合」を感じたい方におすすめです。
住所: 107 Seosulla-gil, Gwonnong-dong, Jongno-gu, Seoul, South Korea
営業時間:
火~金:16:00~23:00
土日:15:00~23:00
月曜:定休日
KIBA(Korea International Beer Award)2025について
KIBA2025は、韓国・ソウルの展示場COEXで開催されたアジア有数のビアコンペティション。今年は世界21か国から101のブルワリーが参加し、出品されたビールはなんと合計467種類!前年(2024年)と比べて参加国数・ブルワリー数・出品数すべてが大きく増加し、KIBAが国際的にもどんどん注目されていることがわかります。
この大会は、韓国最大のビール展示会「KIBEX(Korea International Beer Expo)」の中で行われ、42名の国際審査員が一つひとつのビールを丁寧に審査。アジアを代表するビールコンペとしての存在感を年々高めています。
KIBA2025 受賞コメントをご紹介!
今回のKIBAで、IB BREWINGから出品した5種類のうち2つのビールが受賞を果たしました!それぞれの担当ブルワーから、皆さまに向けたコメントをご紹介します。
🥇金賞受賞:「Wit & West」
担当ブルワー:藤戸淳平(Junpei)
「Wit&West」は、ベルギーの伝統的な酵母と、アメリカのモダンなホップキャラクターを掛け合わせた、ちょっと挑戦的な一杯です。
日本とカンボジア、それぞれの自由なビール文化に触れる中で生まれたインスピレーションを形にしたいという思いから、このビアスタイルでの挑戦を決意しました。
今回こうして金賞をいただけたことで、クラフトビールが国境や文化を越えて人と人をつなげる力を、改めて実感しています。
初の金賞、本当に嬉しいです!でも、これに満足せず、さらにレベルアップしたビールづくりを目指して、これからも多くの人に「感動」を届けられるように頑張ります!
🥉銅賞受賞:「MOMO Hazy Pale Ale」
担当ブルワー:小管 桃世(Momoyo)
1年前、クラフトビールの世界に飛び込んだばかりの頃に出会った「Hazy IPA」の美味しさに衝撃を受けたのが、私のすべての原点です。
その感動が忘れられず、「自分の好きなビアスタイルを自分でつくってみたい!」という想いから生まれたのが「MOMO Hazy Pale Ale」。
初めてのコンペティションでまさかの銅賞をいただき、本当にびっくりしていますし、感謝の気持ちでいっぱいです。
もちろん、理想のビールにはまだまだ遠く、学ぶべきことも山ほどあります。だからこそ、今後もこの経験を糧に、「おいしい!」と言っていただける一杯を届けられるよう、日々精進していきたいと思います!
スタッフみんなの想いや挑戦の結晶を、こうして形として評価していただけたことは本当に励みになります。いつも応援してくださる皆さまのおかげで、こうしてチャレンジできていること、心より感謝しています。
メンバー紹介
西原総司
シェムリアップ在住、時々日本
アフリカでの旅を機にケニアで養鶏事業を起業。2020年コロナを機に日本国内で藤戸とIB BREWINGを創業。創業6年目となる現在はIB Group全体の経営とタイ出店に向け着々と準備中
藤戸淳平
福岡在住、時々シェムリアップ
ベトナム最大手のクラフトビールメーカー、7ブリッジブルーイングで醸造修行。2020年コロナを機に日本国内で西原とIB BREWINGを創業。創業6年目となる現在はIB Group全体の醸造管理とタイ出店に向け着々と準備中
西原晴菜
シェムリアップ在住、時々日本
2024にIB BREWINGにジョイン。現在はIB Groupのブランドマネージャーを務める。
小管桃世
福岡在住、時々シェムリアップ
2024にIB BREWINGにジョイン。現在はIB BREWINGのブルワーを務める。