IB BREWING Groupは「Make the World borderless with Beer」をミッションに世界を舞台にクラフトビールの製造販売をおこなっている、グローバルビアカンパニーです。現在は日本・福岡とカンボジア・プノンペンを拠点にビールの製造および販売、直営のIB TAPHOUSEの運営をおこなっております。
なぜクラフトビールなのか。
IB BREWING Groupは、西原、藤戸の2名の共同創業によってスタートしました。私たちの根底にあるものは「旅」です。IB BREWINGを起業する前の創業メンバーは、カタコトの英語で合わせて世界50カ国以上を旅する旅人でした。
初めての世界を巡る旅中で西原はアフリカのナミビア国でタクシー強盗致傷、藤戸はモロッコ国で食中毒による海外入院、お互い幾度も心が折れる経験をしました。振り返れば私たちが旅中に経験した苦い思い出はその国に対してネガティブなイメージを持ってしまうものだったかもしれません。しかし今でもその国に戻りたい!帰りたい!と心から思うのはクラフトビールのおかげであったと言えます。ローカルのクラフトビールはどこの国にもありそして安く飲める地元の人たちが愛飲する嗜好品です。
ワインやウイスキーは価格がピンキリなのに対してビールは安く飲める、旅先での「乾杯」は国籍、文化、経済格差の垣根を超え、私たちと旅先で出会った人たちとの間にたくさんの繋がりと思い出を残してくれました。
お互い世界を周遊する旅から帰国し志した先は、クラフトビールブルワリーの起業でした。
世界中が友達で溢れ、世界中の人が繋がった先に争いはない。
次は自らが作り手として国籍、文化、経済格差の垣根を超えたボーダーレスな世界をビールで実現する。
そうした2人の想いからIB BREWINGは誕生しました。
なぜ福岡なのか。
2022年2月、IB BREWINGは創業メンバー西原がゆかりのあった広島で始動しました。創業当初より世界に進出することを念頭に、海外で流行しているビールのスタイルを醸造したり、海外の技法を取り入れたりしながら事業を進めてきました。転機は2022年10、タイ・バンコクで開催されたSEA Brew2022というアジア最大のカンファレンスへの参加です。
SEA Brewでは、アジア全土からブルワー、ブルワリーオーナー、インポーター、業界のサプライヤーが集まり、原材料、醸造技術、最新の醸造設備について意見交換をおこないます。そしてメインセクションではアジア各国から参加しているブルワリーが出品したビールを評価し表彰します。
残念ながらSEA Brew2022で入賞とはなりませんでしたが各国のブルワーやサプライヤーとの意見交換はとても有意義なものでした。同じアジアのブルワリーに刺激され、私たちに新たに芽生えたのは漠然とした世界進出という目標からアジア進出という明確な目標でした。
SEA Brew2022以降、アジア進出を志し、様々な国を訪問しました。タイ・シンガポール・韓国・ラオス・カンボジア、これまでの目的のない旅から一転、「自分たちでブルワリーをつくる」という明確な目的のもと訪れる国は旅とは違う見方をすることができ、日本にはない可能性を肌身を持って体感することができました。
2023年末、移転するきっかけとなる出来事も重なり、沸々と湧き上がってくるアジアでの展開を夢見てアジアの玄関口・福岡に移転を決めました。
なぜカンボジアなのか。
アジア進出1カ国目にカンボジアを選んだ理由はSEA Brew2022の参加とアジア諸国の視察にあります。SEA Brewのカンファレンスでは、国ごとにテーブルが用意されます。経済的にもアジアを牽引する国はもちろん東南アジアの各国も参加していましたが会場にはカンボジアのテーブルはありませんでした。東南アジアではタイ・ベトナムに次いで経済成長している国にも関わらずSEA Brewに1社も参加していない現状がカンボジアのクラフトビールシーンを物語っていると感じました。
振り返れば日本でも2021年以降もの凄い勢いでブルワリーが増加し、まるで自分たちが新しいカルチャーを築いている、そんな感覚すらありました。日本のクラフトビールブームに乗らせてもらいIB BREWINGの今がありますが、一方で次は何もないところからクラフトビアカルチャーを築いていきたい、そのような想いもありました。
カンボジア・プノンペンに視察で訪問した際に全てのブルワリーを巡りました。プノンペンのブルワリーは中国やフランスの外資企業が多いのですが、プノンペンにもカンボジア人がオーナーをしているブルワリーがあります。そのオーナーとの会話は今でも心に残っており、進出先国をカンボジアに決めた理由の一つにもなりました。
「2024年のSEA Brewの会場には俺たちが参加してカンボジアのテーブルを用意してもらおう」
国籍、文化、経済格差は違えど、争う相手ではなく共存していくチームになる、これ以上の一言はありませんでした。そうして私たちIB BREWINGはカンボジアの首都プノンペンの中でも最も栄えているBKK(ボンケンコン)にブルワリーと直営のTAPHOUSEをオープンしました。
同じ志を持った仲間がいることに感謝の気持ちを忘れず、カンボジアでクラフトビールカルチャーを築いていきたいと思います。