軌跡

2021年12月上旬|DIY終了

12月上旬、無事に内装、外構DIYが終わり外国のメーカーにオーダーした醸造設備の到着を待つのみとなりました。税務署に申請しなくてはいけない「醸造免許」取得には5ヶ月かかると言われていたので4ヶ月で終えるよう計画を立て、少しずつDIYしてきました。DIYに力を貸してくださった皆様本当にありがとうございました。

2021年12月下旬|醸造設備搬入

9月に正式発注をして約3ヶ月。ようやくIB BREWINGの醸造所へ設備がやってきました。設備の運搬費を抑えるためにIB BREWINGお得意のDo It Your Self!広島県坂町の港に着いた設備をハイエースに乗せ、自分達でどんどん運びます。
ハイエースに乗せれない大型タンク類は4トントラックへ。設置費用も抑えるため、業者は呼ばず250kg超えのタンクを大人4人で設置していきます。少しは工場っぽくなってきました。

2022年2月下旬|記念すべき初仕込み

国税局から2月17日付て発泡酒製造免許を交付していただきました。申請から交付までの期間はおよそ5ヶ月。とんでもなく参入障壁の高い事業に挑戦してしまったと思いながら免許交付を待っていましたが、この5ヶ月間、何度も税務署と保健所に足を運び、何十枚という申請書を作って本当に良かったなと振り返り感じます。ここからがIB BREWINGの夢の始まりです。

2022年3月上旬|初出荷

2月下旬に初仕込みを終えることができましたが、出荷できるビールが作れたのはなんと4仕込み目でした。初仕込みから3回仕込んだ分のビール(およそ1500本分)は、発酵不良、酸化等が原因で全て破棄にしました。正直、経営的に考えてもきつい状況でしたが、自分達が大好きでやっとの思いで始めることができたビール作りには一切の妥協もしたくない、この芯はブラさず、納得いくまで何度も仕込み直しをしました。
そして、ようやく4回目に仕込んだビールで「美味しい!」と2人で口を揃えることができました。

2022年5月|醸造所増設計画が持ち上がる…

自社醸造が始まり2ヶ月。ありがたいことに全国からたくさんの取引先様に恵まれ、欠品が続く日が増えてきました。しかし、納期が最長1ヶ月待ちとなることもあり、同時にお取引先様にご迷惑をおかけすることも増えていきました。元々設備自体大きなものではありませんが計画当初の予定では製造量は問題ないと思っていました。
しかしこれ以上今IB BREWINGをお取り扱いしていただいている店舗様にご迷惑をおかけするわけにもいかないと、自社醸造始めて2ヶ月で設備増設の話が持ち上がりました。

ところが、設備増設には昨年以上の資金が必要であり、ハードルも高いものでした…

2022年7月|広島県内ブルワリー初となる缶の充填機導入

昨今のクラフトビール業界の瓶から缶への切り替えの流行に遅れまいと缶の充填機の導入を決めました。元々、卸売がほとんどのため、物流コストが安価な缶に切り替え、お客様により手軽に低価格で楽しんでいただけらという思いからでした。

広島県内では2022年7月現在、缶の充填機を保有しているブルワリーはありませんでした。缶の充填機はとても高価な機械で、スペースも取るため、小さなビール工場には導入のハードルが高かったのです。

https://motion-gallery.net/projects/ibbrewing

私たちは、呉市のふるさと納税の仕組みを使い、ふるさと納税型クラウドファンディングで資金を募りました。ありがたいことに充填機購入資金を集めることができ、広島県第一号の充填機が到着しました。

2022年9月|念願の増設を実施

2022年5月に構想を描いた醸造所増設計画をこれまで水面で進めて来ました。増設にあたりまたまた莫大な投資になります。お金の工面、施設の改装、醸造設備のオーダーなどやることは尽きず5月から4ヶ月間、2人で協力してなんとか醸造所増設を実現することができました。

今回増設した機械は、既存設備の3倍規模の醸造設備一式です。これで醸造量も3倍に!

醸造量が少なく供給不足によりこれまでたくさんのお取引先の皆様、お客様にご迷惑をおかけしましたが、増設によりもっと多くの方に手に取っていただけると思うと本当にワクワクしています。これまで以上に挑戦的な大人心くすぐるようなビール作りに挑戦していきたいと思います。

今後は飲食店向けの樽の販売にも力を入れていく予定です。

2022年12月|缶ビール販売開始

缶の充填機を導入後、早くも4ヶ月が経過しブルワリーのある安浦町は秋も過ぎ去り本格的に冬に入ろうという時期になっていました。なんと缶の充填機の細かな調整に4ヶ月もかかりました。

「初めて」には問題ばかり。けれど今に始まったことではなく、タンクを初めて導入した時も、瓶詰機を初めて稼働させた時も一つ一つ原因を探り解決してきました。

缶の充填機の調整で難しかったのは、缶蓋の巻き締めと溶存酸素濃度でした。この二つを解決するために先輩のブルワーのお知恵をいただいたり、製缶会社さんにご協力いただきました。本当にありがとうございました。

これなら自信を持って提供できる!

初めて規定をクリアした缶ビールが完成した時の喜びは今でも忘れません。