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第2回: ラトビアとビールってなにか関係があるの?

Priekā!!(プリエカ=ラトビア語で乾杯)

みなさま、こんにちは!

ラトビア文化発信ビールブランド「Lat Beer」を運営しているROCKです!

IB Brewing様でラトビアに関わるコラムを担当しています。

今回のテーマは「ラトビアとビールについて」

【ポイント】

 ・13世紀にドイツから伝播する前から農家で自家製ビールを作っていた

 ・土着の信仰で神々に捧げる聖なるお酒としての役割

ビールは歴史を紐解くと、紀元前4,000年前にメソポタミア文明からすでに飲まれていると言われていて、同じく歴史の深いワインとともに全世界で作られ愛されているお酒の1つです。

北欧のラトビアでは13世紀にドイツ騎士団の占領によるドイツ式ビールの製法が伝播したとされていますが、もともと9世紀ごろ(所説あり)以前には農家のひとがジェニパーベリー(お酒のジンで欠かせないスパイス)やよもぎなどの野草を加えた自家製ビールを楽しんでいたことが伝えられています。

日本で例えるなら「どぶろく」や「梅酒」を自宅で作るようなものでしょうか(作る際はアルコール度数には注意!)

ちなみに、国民一人当たりのビール消費量は世界15位(2020年度、日本は52位)とかなり上位(1位はチェコ、5位にドイツ)で国民的にビールが非常に好きであることがうかがえます。

もっとも飲む頻度が高いということであれば、バルト三国のリトアニアやエストニアの方が実は順位が高いのですが、ラトビアとビールの繋がりは消費量だけではありません。

それは歴史的に見て、農家のひとびとが自家製ビールを作り、土着の信仰のもと「神々に捧げる神酒」という役割をビールが担っていたことも非常に興味深い要素です。

特に毎年6月、もっとも陽が高くなる日に開かれる夏至祭で盛大に振舞われます。ラトビアは北欧に位置しているため、特有の夏が短く冬が長い過酷な環境下で陽の光を大切にしてきた慣習があり、その中で自然の恵みによって作ることが出来るビールを神に捧げて感謝を伝えるのです。

日本の神社における神様に日本酒を奉納する感覚といえばイメージしやすいでしょうか。

ラトビア人の歴史とともにある大切なビール。

そんなビールで以て、多くの方にラトビア文化を知って楽しんでもらいたい。

そんな想いで開発しています。